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IWCシャフハウゼンが2025年に発表した新作「パイロット・ウォッチ・パフォーマンス・クロノグラフ・パーペチュアル・カレンダー・デジタル・デイト・マンス(Ref. IW388801)」は、時計愛好家の注目を集めています。軽量で頑丈なセラタニウム®素材、デジタル表示の永久カレンダー、そして高性能な自社製ムーブメントを搭載し、機能美を追求した逸品です。本記事では、このモデルの魅力を余すところなく解説していきます。
目次
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デザインと素材の革新
1-1. セラタニウム®の採用
1-2. ブラックセラミックベゼルと槌目模様の文字盤 -
デジタル表示のパーペチュアルカレンダー
2-1. パルウェーバー懐中時計からのインスピレーション
2-2. 高度なメカニズムと調整の容易さ -
自社製ムーブメントCal.89802の性能
3-1. クロノグラフ機能とパワーリザーブ
3-2. シースルーケースバックからの鑑賞 -
まとめ
1. デザインと素材の革新
1-1. セラタニウム®の採用
IW388801には、IWCが独自開発した革新的な素材「セラタニウム®」が使用されています。これは、チタンの軽量性とセラミックの高硬度を融合させたハイブリッド素材で、長時間の着用でも快適さを損なわない優れた装着感が特徴です。高温処理によって生み出されるマットブラックの質感は、戦闘機を彷彿とさせる精悍なルックスを演出します。リューズやプッシュボタン、さらにはブレスレットにまでこの素材が採用されており、統一感と機能美が際立ちます。
1-2. ブラックセラミックベゼルと槌目模様の文字盤
ベゼルにはポリッシュ仕上げのブラックセラミックが採用され、ゴールドカラーのタキメーターが力強いアクセントを加えています。ダイヤルは槌目模様を施したブラック仕上げで、重厚感と手仕事の温もりを感じさせるデザインです。視認性を高めるため、インデックスや針にはスーパールミノバ®が塗布され、暗所での判読性にも配慮されています。
2. デジタル表示のパーペチュアルカレンダー
2-1. パルウェーバー懐中時計からのインスピレーション
IWCの1880年代の名作「パルウェーバー懐中時計」から着想を得た本モデルのカレンダー機能は、伝統と革新が融合したスタイルを象徴しています。3時と9時位置に設けられた開口部には、ゴールドのディスクによるデジタル日付と月の表示が並びます。6時位置には閏年表示も搭載されており、視覚的にも非常にユニークな設計となっています。
2-2. 高度なメカニズムと調整の容易さ
この永久カレンダー機構は、エネルギーを蓄積して必要なタイミングで放出する高度な構造を備えており、閏年を含む日付の誤差を自動で補正します。調整もリューズ操作のみで完結するため、ユーザーにとって非常に扱いやすい仕様となっています。複雑さを感じさせない操作性も、IWCならではの高い実用性の証です。
3. 自社製ムーブメントCal.89802の性能
3-1. クロノグラフ機能とパワーリザーブ
搭載されるCal.89802は、IWCが手掛ける自動巻きの高性能ムーブメントです。12時位置の積算計は時間と分を同軸で表示し、フライバック機能も搭載。クロノグラフ操作がスムーズかつ正確に行える点が魅力です。また、68時間のロングパワーリザーブにより、頻繁な巻き上げの必要がなく、日常使いにも適しています。
3-2. シースルーケースバックからの鑑賞
裏蓋はサファイアクリスタルによるシースルー仕様で、ブラックカラーに装飾されたブリッジやスケルトン加工のローターが堪能できます。IWCの緻密な仕上げ技術とムーブメント設計の美しさが際立つディテールです。なお、このモデルの価格は81,900米ドル(約12,936,000円 税込)であり、IWCのハイエンドラインにふさわしい価値を備えています。
4. まとめ
Ref. IW388801は、IWCの革新と伝統を融合させたハイエンドモデルとして、素材、デザイン、機能、ムーブメントすべてにおいて完成度の高い一本です。セラタニウム®の採用により、タフネスと軽量性を両立しつつ、パーペチュアルカレンダーとクロノグラフという複雑機構をスタイリッシュにまとめ上げています。さらに視認性や操作性にも優れており、ラグジュアリーでありながら実用的な時計として高い評価を得ています。コレクターにとっても、パイロットウォッチの新たな進化を象徴する逸品として、注目すべき存在です。