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    【ジャガー・ルクルト】2025年新作はレベルソで甦る王の叙事詩:エナメル「シャー・ナーメ」

    【ジャガー・ルクルト】2025年新作はレベルソで甦る王の叙事詩:エナメル「シャー・ナーメ」

    リード文

    2025年、ジャガー・ルクルトは壮麗なペルシャ叙事詩『シャー・ナーメ(王書)』の世界を纏う新作、「レベルソ・トリビュート・エナメル シャー・ナーメ」コレクションを発表しました。精緻なミニアチュール技法で描かれた4つの名場面は、まさに“時を刻む文学”。神話、英雄譚、王の物語が融合する芸術的なこの時計は、「Watches and Wonders 2025」で登場以来、多くの称賛を集めています。限定生産として登場したこの作品は、もはや時計という概念を超え、文化遺産へのオマージュとして存在しています。


    目次

    1. 「レベルソ・トリビュート・エナメル シャー・ナーメ」とは

    2. 各モデルの魅力と背景
       2-1. Ref. Q39334S1:王の前でポロをするシーン
       2-2. Ref. Q39334S2:ドラゴンに変身した王が息子たちを試すシーン
       2-3. Ref. Q39334S3:英雄・サームが山に来たシーン
       2-4. Ref. Q39334S4:英雄・ロスタムが野ロバを退治するシーン

    3. ミニアチュール×グラン・フー:技法の粋

    4. まとめ:時を超える物語の継承

     


    1. 「レベルソ・トリビュート・エナメル シャー・ナーメ」とは

    2025年、ジャガー・ルクルトはスイス・ジュネーブで開催された「Watches and Wonders 2025」にて、ペルシャ文学の最高峰『シャー・ナーメ(王書)』をモチーフにした限定コレクション「レベルソ・トリビュート・エナメル シャー・ナーメ」を発表しました。

    このシリーズは、10〜11世紀に詩人フェルドウスィーによって綴られたペルシャ最大の叙事詩『シャー・ナーメ』の中から象徴的な場面を選び、時計の裏蓋に精緻なミニアチュール技法グラン・フー・エナメルで再現され、1点ずつ異なる場面が描かれています。どれも美術館に並ぶべき完成度を誇り、その繊細さと色彩美には息をのむほどです。


    2. 各モデルの魅力と背景

    2-1. Ref. Q39334S1:王の前でポロをするシーン( ポロ競技の対戦に挑むシヤブシュ )

    このモデルでは、王の宮廷前で開催されるポロの試合がテーマ。騎馬上でのスポーツとして知られるポロは、古代ペルシャで貴族の遊びとして愛された競技でした。エナメルで描かれた人物たちは、まるで動いているかのような躍動感を持ち、王が見守る荘厳な宮廷の風景とのコントラストが圧巻です。


    2-2. Ref. Q39334S2:ドラゴンに変身した王が息子たちを試すシーン( 子息に試練を課すフェリードゥーン王 )

    このユニークな物語では、王が試練のために自らドラゴンの姿となり、息子たちを試します。幻想的でありながら力強い構図は、ミニアチュールならではの表現力を最大限に活かしています。ドラゴンの鱗、炎、息子たちの怯まず向かう姿まで細部にわたり描き込まれており、見る者を物語の中へと引き込みます。


    2-3. Ref. Q39334S3:英雄・サームが山に来たシーン( アルボルズ山に再頂したサーム )

    英雄サームが山に登場する場面は、自然と人物のスケール感を活かした構成で描かれています。雪を頂く山々と緑の渓谷を背景に、力強く立つサームの姿は、「自然とともに生きる英雄」の存在感を際立たせます。色彩のグラデーションと光の表現が実に巧みで、絵画としての完成度も極めて高い1本です。


    2-4. Ref. Q39334S4:英雄・ロスタムが野ロバを退治するシーン( アクヴァンを追うロスタム )

    ロスタムは『シャー・ナーメ』でもっとも人気の高い英雄。その若き日の試練の一つとして登場するのが野ロバとの戦い。Ref. Q39334S4では、力強く弓を構えるロスタムと、その鋭い眼差しの先にいる野ロバの姿が描かれています。緊張感ある構図と、力の爆発的瞬間をとらえた筆致は必見です。


    3. ミニアチュール×グラン・フー:技法の粋

    このシリーズの芸術性を高めているのは、ペルシャ伝統のミニアチュール画法と、ジャガー・ルクルトのエナメル職人によるグラン・フー技法の融合です。エナメルの焼成は800℃以上で繰り返し行われ、そのたびに色調が変化し、最終的には深く透明感のある仕上がりに。

    また、ダイヤル面にはギヨシェ彫りが施され、反射による陰影の美しさと手仕事のぬくもりを感じさせます。これはもはや「着けられる絵画」と呼ぶにふさわしい技術の結晶です。


    4. まとめ:時を超える物語の継承

    ジャガー・ルクルトの「Reverso Tribute Enamel Shahnameh」コレクションは、時計という枠を超え、物語と芸術を融合させた逸品です。ペルシャの叙事詩『シャー・ナーメ』の世界を、精緻なエナメル画と高度な技術によって現代に蘇らせたこのシリーズは、ただ時を刻むだけではなく、深い物語性と歴史的背景を身にまとう芸術作品といえるでしょう。

    それぞれのモデルは、サファヴィー朝時代の細密画にインスパイアされ、職人の手によって何十時間もかけて描かれています。時計愛好家にとってはもちろん、文化的価値の高いアートピースとしても評価されるべきコレクションです。

    単なる高級腕時計を超え、文化と歴史を未来へと継承していく――それが「Reverso Tribute Enamel Shahnameh」に込められた真の価値です。