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    【トゥールビヨン×構造美】RM003-V2&RM012に見るリシャールミルの哲学

    【トゥールビヨン×構造美】RM003-V2&RM012に見るリシャールミルの哲学

    現代の高級時計界を牽引するリシャール・ミル。その中でも、構造美とハイコンプリケーションを求める真の愛好家に捧げられたのが、RM003‑V2RM012です。トゥールビヨンを核に据えた両モデルは、GMT機能やスケルトン構造、素材の革新といった要素を高度に融合。宝飾的な美しさと技術的挑戦を両立したその姿は、“魅せる時計”として唯一無二。この記事では、その精巧な機構と美学、そして共通のコンセプトに探究します。


    目次

    1. RM003‑V2:GMT付きトゥールビヨンの革新

    2. RM012:チューブ構造が紡ぐスケルトン美学

    3. 共通点:トゥールビヨン×ハイコンプリケーション×構造美

    4. まとめ:魅せる時計の究極形


    1. RM003‑V2:GMT付きトゥールビヨンの革新

    RM003‑V2はマニュアル巻きトゥールビヨンに、GMTデュアルタイム機能を組み合わせたモデル。

    • GMT表示は回転式サファイアディスクと白いセクションの組み合わせにより、視認性と動きのある演出を両立 。

    • 新素材、カーボンナノファイバーをベースプレートに採用し、軽量・高剛性を実現

    • ケース厚は約13.65mm(RM002の11.95mmから増厚)・70時間以上のパワーリザーブ

    1‑1 構造と素材のハイブリッド

    チタンから進化したカーボンナノファイバーのプレートは軽量かつ強靭。視覚的にも近未来的なスケルトンと融合し、機能とデザインの両立を果たしています。


    2. RM012:チューブ構造が紡ぐスケルトン美学

    RM012は完全に透明なチューブ構造をベースプレートにした革新的なトゥールビヨンモデル。

    • Phynoxチューブをベースプレート/ブリッジに置き換え、軽量かつ剛性に優れた構造

    • 2年と4プロトタイプを経て、ミクロン単位の精度で開発され、2006年に限定30本で発表

    • 外観は“軽やかに見えるが堅牢な”チューブ構造がサファイアケースと相まって、構造美を際立たせます

    2‑1 技術へのこだわり

    Invar合金のチューブを三次元的に組み上げ、温度・腐食・衝撃に強い構造を実現。構造と機械部品の一体化がRM012最大の特徴です。


    3. 共通点:トゥールビヨン×ハイコンプリケーション×構造美

    以下、両モデルに共通する“魅せる”要素を深掘りします。

    3‑1 トゥールビヨンを鑑賞する美

    どちらのモデルも視認性の高いオープン構造。複雑機構がむき出しになっており、ムーブメントそのものが宝飾的なオブジェであるかの如く魅せます。

    3‑2 構造美としての設計

    • RM003‑V2:カーボンナノファイバーの積層構造が時計全体に未来感と立体感を与える。

    • RM012:むしろ空間=構造として、部品をつなぐ役割を演出。「スケルトンの構成そのものが構造体」です。

    3‑3 ハイコンプリケーションへの挑戦

    • RM003‑V2はGMTへの機構追加と高剛性素材を採用し、複合機構と軽量を両立。

    • RM012は従来の平板プレートから脱却し、機構=構造の一体化を図ることで剛性と視覚効果を高次元で両立。


    4. まとめ:魅せる時計の究極形

    時を告げる機構を“魅せる造形美”として具現化したRM003‑V2とRM012。その共通軸は以下の3点に集約されます:

    1. トゥールビヨンの儀式性を骸骨のように露出させた構造美。

    2. 素材技術を革新的構造にも適用し、高性能と視覚美の両立。

    3. ハイコンプリケーションを“見せる”設計により、時計を芸術品へ昇華。

    これらは単なる機械式時計の延長ではなく、「技術×芸術×構造」が融合した21世紀の機械工芸的作品です。


    最後に

    RM003‑V2とRM012は、それぞれ異なるアプローチながら共に“魅せるトゥールビヨン”という極致を追求。GMT搭載か、フルスケルトン構造かという違いはあれど、本質的には同じ哲学に基づいて制作されています。いずれも時計という枠を超えた、構造派ラグジュアリーの傑作といえるでしょう。