ラグジュアリースポーツウォッチの頂点とも言える Patek Philippe（パテック・フィリップ）の「ノーチラス」シリーズ。中でも「5990/1R‑001」は、18Kローズゴールドケース＋ブレスレット、ブルー文字盤、トラベルタイム（デュアルタイム）＋フライバック・クロノグラフという、豪華かつ実用的な仕様で注目を集めています。なぜこのモデルが登場したのか、生産背景から仕様、さらには現在の価格動向まで、最新データをもとに正確に整理していきます。購入・コレクションを検討される方にとって、必見の内容です。

#5990/1R‑001

目次

1. 生産背景：ノーチラス5990シリーズの位置づけ
   1‑1. ノーチラスの歴史と5990系統の登場
   1‑2. 5990/1R‑001誕生の背景とその意義

2. 仕様・スペック詳細：素材・ムーブメント・機能
   2‑1. ケース／ブレスレット／文字盤の仕様
   2‑2. ムーブメント（Cal. CH 28‑520 C FUS）と機能一覧

3. 価格動向と市場評価：定価・中古実勢・価値維持要因
   3‑1. 正規定価と地域別販売価格の概況
   3‑2. 中古市場の実勢価格と動き、注目されるポイント

4. 購入時のチェックポイントと所有・保管の留意点
   4‑1. 真贋・仕様確認・付属品チェック
   4‑2. 所有後のメンテナンス・使用・下取りを見据えた保管術

5. まとめ

1. 生産背景：ノーチラス5990シリーズの位置づけ

1‑1. ノーチラスの歴史と5990系統の登場

「ノーチラス（Nautilus）」コレクションは1976年に発表され、ラグジュアリースポーツウォッチというジャンルを確立しました。
その中で複雑機構を備えたモデル群として「5990」シリーズが登場。デュアルタイム（トラベルタイム）＋クロノグラフという実用性と高級性を併せ持つモデルとして、2014年頃より注目されてきました。

1‑2. 5990/1R‑001誕生の背景とその意義

「5990/1R‑001」は、ローズゴールド（18K）素材を採用したモデルで、ブルー・サンバースト文字盤という仕様で2010年代後半から登場しています。仕様としてケース径40.5 mm、厚さ12.53 mmなどが公式に記載されています。
このモデルが持つ意義は、純粋な素材アップグレード（ステンレスからローズゴールドへ）だけでなく、デュアルタイム＋フライバック・クロノグラフという「旅・スポーツ・ラグジュアリー」を融合した実用機としてのポジション確立という点にあります。ローズゴールド仕様はステンレス仕様に比べて供給が限定され、希少性が高まっている点も生産背景として理解できます。

2. 仕様・スペック詳細：素材・ムーブメント・機能

2‑1. ケース／ブレスレット／文字盤の仕様

本モデルのケース・ブレスレット素材は18 Kローズゴールド（ピンク／レッドゴールド）です。公式スペックにおいて「Rose gold. Diameter (10‑4 o’clock): 40.5 mm. Thickness: 12.53 mm. Water‑resistant to 30 m.」と明記されています
ただし、流通情報では「防水120 m」という記載もあるため、購入時には実仕様を確認する必要があります。
文字盤はサンバースト・ブルー、水平エンボス加工（水平ストライプ模様）付き、外縁ブラックグラデーション付きとして紹介されており、ローズゴールド製のバトン型インデックスと夜光仕様の針が組み合わされています。
ブレスレットはローズゴールド一体型で、ノーチラス特有のケースとブレスの一体感を持ち、フォールディングクラスプ仕様となっています。

2‑2. ムーブメント（Cal. CH 28‑520 C FUS）と機能一覧

搭載ムーブメントは自動巻きキャリバー「CH 28‑520 C FUS」。フライバック・クロノグラフ機構、60分カウンター、デュアルタイム（ローカル／ホームタイム）機能、デイト表示（ローカルタイム連動）、昼／夜表示が備わっています。
技術データとしては、パーツ数370、石数34、パワーリザーブ45～55時間、振動数4 Hz（28,800振動/時）とされています。
さらに、ローズゴールド仕様ながらムーブメントがサファイアバックから鑑賞可能な仕様であるため、高級機ならではの技術表現も併せ持っています。

3. 価格動向と市場評価：定価・中古実勢・価値維持要因

3‑1. 正規定価と地域別販売価格の概況

公式サイトではシンガポールドル（SGD）で「SGD 182,900」と表示されています（ローズゴールド素材仕様）
また、欧州・米国情報では例として「USD 122,670（米国参考）」というデータがあります。
ただし、日本国内正規店での日本円表示定価は明確な公表が少なく、購入時には国内正規ルートでの価格確認が必要です。

3‑2. 中古市場の実勢価格と動き、注目されるポイント

中古市場では、2025年現在においても「¥40 ～ 50百万円超」という価格帯で取引実績が多数見られます。例えば、ある出品価格で「¥41,807,594」などの記録があります。
このように、定価を大きく上回るプレミアムが付いており、素材（18Kローズゴールド）＋人気シリーズ＋複雑機構という組み合わせによる価値上昇が背景にあります。また、付属品完備・未使用個体・限定数という要因も価格を押し上げています。
購入を検討するなら、「状態」「付属品」「シリアル／販売証明」などが価値維持・将来的な下取り・売却時に大きく影響します。

4. 購入時のチェックポイントと所有・保管の留意点

4‑1. 真贋・仕様確認・付属品チェック

高額モデルであるため、購入時には以下の点をしっかり確認しましょう

• ケース・ブレスレットが18 Kローズゴールドであるか（刻印・材質）

• 文字盤がブルー・サンバースト＋水平エンボス加工仕様であるか

• ムーブメントがCH 28‑520 C FUSであるか、仕様が一致しているか

• 付属品（保証書、箱、タグ、ブレス余り駒）完備かどうか

• シリアル番号・製造年・ブティック購入証明があるか
  これらを怠ると、将来的な価値維持や真贋リスクに影響を及ぼします。

4‑2. 所有後のメンテナンス・使用・下取りを見据えた保管術

このモデルは18Kローズゴールド素材を使用しているため、傷・摩耗・金属疲労などが発生しやすい点に注意が必要です。日常使いの際には衝撃・擦れ・化学物質（香水や洗剤など）を避け、使用後のクリーニング・保管にも配慮しましょう。
また、将来的な下取りや売却を考えるなら、「未使用または状態良好」「付属品完備」「定期メンテナンスを適切に行っている」ことが査定ポイントとなります。
定期的なオーバーホールを行い、外装磨きやパーツ交換履歴を記録しておくと、資産時計としての価値を守りやすくなります。

5. まとめ

「5990/1R‑001」は、ノーチラスシリーズにおけるハイエンド仕様モデルとして、素材・機能・ブランド価値の三拍子が揃った魅力的な一本です。18Kローズゴールドという希少素材、40.5 mmという実用的サイズ、デュアルタイム＋フライバック・クロノグラフという複雑機構が融合しており、それゆえに価格市場でも高い要求がついています。中古市場では定価を大きく上回るプレミアムがついており、購入検討においては状態・仕様・付属品・信頼できる購入ルートが極めて重要です。所有後も丁寧な使用・保管・メンテナンスを行うことで、このモデルを「使える資産時計」として長く楽しむことができるでしょう。