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腕時計の側面にある小さなつまみの部分、「リューズ」。腕時計の側面についているこの小さな部分を、普段どれだけ意識して使っているでしょうか。 実はこの部分は漢字で「竜頭(りゅうず)」と書きます。なぜ「竜の頭」と表現されるのでしょうか。実はこの言葉には、時計の歴史だけでなく、古代中国の伝説や仏教文化にもつながる深い由来があります。
「竜頭」は、いわば「竜(龍)の頭」を意味します。中国や日本において、竜は神聖で力が強いとされ、特に重要な部分や装飾に「竜」のモチーフが用いられることが多くありました。
時計の「竜頭」も、時刻を調整したりゼンマイを巻く重要な役割を担う場所として、その名にふさわしい存在です。
仏教寺院に見られる大型の釣鐘(つりがね)には、上部に「竜頭」と呼ばれる吊り手部分があります。この部分は鐘を吊るす金具ですが、装飾として龍の頭の形を模した彫刻が施されることが多く、ここから「竜頭」という名前がつけられています。
そして、この鐘に関係する伝説として知られているのが「蒲牢(ほろう)」という神獣です。 蒲牢は中国の伝説に登場する竜の種類で、非常に大きな声で吠えることから、鐘の音をより響かせる象徴として、鐘の頂部に蒲牢の像が飾られるようになりました。
このような文化的・宗教的な背景が、「竜頭」という言葉に与えられています。
時代が下り、西洋の懐中時計が日本に伝来すると、時計の上部に紐や鎖を止めるための部分がありました。この部分の形状が釣鐘の「竜頭」に似ていたことから、自然と「竜頭」と呼ばれるようになっています。
また、この部分は見た目だけでなく、機能的にも「操作の要」となる位置にあったため、「重要な頭」=「竜頭」という名前がわかりやすく受け入れられました。
懐中時計から腕時計へと移行する過程で、時計の横に時刻を合わせたりゼンマイを巻いたりするためのつまみが設けられるようになりました。 この部分はフランス語で「couronne(王冠)」、または英語で「crown」と呼ばれており、日本ではこれを「リューズ」と呼ぶようになります。
しかし、機能的・形状的には「竜頭」の伝統を継承しているから、漢字表記としては「竜頭」が使われ続けています。リューズの装飾にも王冠のような刻み模様やエンブレムが施されており、「王の頭」としての風格を今に伝えているのです。
「リューズ」が「竜頭」と読める背景には、翻訳や当て字を超えた文化的・歴史的な背景があります。 釣鐘の吊り下げが手にかけられた「竜の頭」、そしてそこに宿る伝説の獣「蒲牢」。 それらが現れる荘厳な響きとともに、時計という時を司る道具にも「竜頭」という名前が引き継がれたのです。
このように、私たちが考えずに使っている「リューズ」という言葉には、古代中国の伝承、仏教建築、日本文化、そして時計技術の歴史が覚悟されていると言えます。