高級時計界におけるスポーツウォッチの代表格、Patek Philippe（パテック・フィリップ）の「ノーチラス」シリーズ。その中でホワイトゴールド仕様かつ41 mmというサイズで登場したモデル、5811/1G‑001は、素材・仕様・希少性すべてが注目を集めています。本記事では、このモデルの 生産背景（なぜ登場したか）、仕様・スペックの詳細、価格動向（定価／中古市場） の３つの視点から整理・解説します。購入を検討中の方、コレクションに興味のある方にとって有益な情報となるよう、最新データをもとに正確性を重視してまとめました。

目次

1. 生産背景：なぜ5811/1G‑001が登場したか
   1‑1. ノーチラスシリーズの変遷
   1‑2. 5811/1G‑001の発表タイミングと意味

2. 仕様・スペック：素材・ムーブメント・デザイン
   2‑1. ケース・ブレスレット・文字盤仕様
   2‑2. ムーブメント Cal. 26‑330 S C と機能詳細

3. 価格動向：定価／中古市場価格と価値維持
   3‑1. 国内定価・海外定価の情報
   3‑2. 中古市場での価格データと動き

4. 購入時のポイント：押さえておきたい注意点
   4‑1. 真贋・付属品確認のポイント
   4‑2. 保有・下取りを視野に入れた選び方

5. まとめ

1. 生産背景：なぜ5811/1G‑001が登場したか

1‑1. ノーチラスシリーズの変遷

#5811/1G-001

「ノーチラス（Nautilus）」は1976年にGérald Gentaがデザインを手がけた、スポーティながらもエレガントなラグジュアリースポーツウォッチとして登場しました。ステンレス仕様の初代Ref.3700が発表され、以降、素材・機構を拡張しながらも“ラグジュアリー×スポーツ”という世界観を維持してきました。ブランドにとっては「日常使いできる高級時計」の象徴となっています。

1‑2. 5811/1G‑001の発表タイミングと意味

5811/1G‑001は、ノーチラスシリーズの41 mmケース仕様・ホワイトゴールド（18K）素材・ブルー太陽放射文字盤（グラデーション入り）という仕様で発表されました。発表時期（2022年10月頃）には、シリーズの鉄（ステンレス）モデルの生産終了やモデルチェンジ話もあり、新たな上位仕様モデルとしての位置付けがありました。つまり“シリーズのアップグレード版”“プレミアム素材を使った限定感あるモデル”として市場が注目した背景があります。

2. 仕様・スペック詳細

2‑1. ケース・ブレスレット素材とデザイン

5811/1G‑001のケースとブレスレットはホワイトゴールド（18 K）で構成されています。公式仕様として「ホワイトゴールド製ケース、ブレスレット」表記あり。
ケース径は41 mm、厚さ8.2 mm。10～4時位置での直径として。
文字盤はブルー・サンバースト仕上げ、外縁に向かってブラックのグラデーションがかかっており、水平エンボス加工が施されています。アワーマーカーおよび針はホワイトゴールド製で夜光付き。
ブレスレットはホワイトゴールド仕様で、特許取得の「ロック可能な調整システム付き折り畳み式バックル」が採用され、2 mmまたは4 mmの長さ調整が可能です。
防水仕様については、販売店では12気圧（＝120 m）表示あり。

2‑2. ムーブメント・機能・文字盤特徴

ムーブメントにはキャリバー Calibre 26‑330 S C が搭載。自動巻き、センターセコンド、日付表示付き
仕様としては直径27 mm、厚さ約3.3 mm、部品数212、石数30石、パワーリザーブ最低35時間〜最大45時間。振動数は4 Hz（28,800振動／時）
文字盤上では日付表示ウィンドウが3時位置にあり、ホワイトゴールド製のアプライドインデックスと夜光コーティング付き針が配置されています。
以上のように、仕様面でも現代的なムーブメントを備えており、信頼性・精度・実用性を兼ね備えたモデルと言えます。

3. 市場価値と人気の理由

3‑1. 購入価格・中古相場動向

参考として、時計マーケットプラットフォームでは、5811/1G‑001の新未使用・中古品の価格が2000万円越え〜3000万円台となっており、かなりのプレミアムがついています。
定価（国内正規店価格）について情報として「¥11,440,000（税込）」という販売店ブログ記載があります。
このように、定価を大きく上回る取引が常態化しており、希少価値・素材価値・ブランド価値が価格に反映されています。

3‑2. なぜ“ホワイトゴールド仕様”が評価されるか

第一に、ノーチラスシリーズの中で素材が変化を遂げた点が希少性を高めています。ステンレスモデルと比べて、ホワイトゴールド仕様は生産数が限られ、高価格帯という点が価値の源です。
第二に、ホワイトゴールド＋ブルー文字盤という組み合わせが視覚的に強い高級感を醸成しており、装着時の印象が“晴れやかでエレガント”という評価につながっています。
第三に、ムーブメント刷新（Cal.26‑330 S C）やケース構造・調整バックル機構など、内部仕様も進化しており“ただ素材が変わっただけ”ではないという点がコレクター的に支持されています。
以上の理由から、5811/1G‑001は「ラグジュアリースポーツウォッチの王道かつアップグレードモデル」として高い人気を博しています。

4. 購入時・所有時の注意点と選び方ガイド

4‑1. 真贋・付属品チェックポイント

ホワイトゴールド仕様の時計には特に偽物・改造品のリスクがあります。5811/1G‑001を購入する際は、まず正規箱・保証書・購入証明書が揃っているかを確認すべきです。
また、ムーブメントがCal.26‑330 S Cであること、ケース／ブレスレットがホワイトゴールドであること、文字盤のグラデーション仕様（外縁ブラック）や水平エンボス加工が正確にあることなど細部仕様の確認が重要です。
さらに、ブレスレット調整機構（2 mm/4 mmロック可能バックル）もしっかり機能しているか、ケースの厚み・刻印・シリアル番号等も目を通しましょう。

4‑2. 使用・メンテナンス・保管上の留意点

ホワイトゴールドはステンレスに比べて柔らかいため、キズ・打ち傷・ブレスレット摩耗などが出やすい素材です。日常装着時には注意が必要です。
防水性能について、公式と流通情報で“12気圧（120 m）”表示と“30 m”表示の差異があります。実際の装着状況では水濡れ・汗・湿気などに対する注意は怠れません。
また、ホワイトゴールドにブルー文字盤という仕様は保管時に紫外線・湿度変化・磁気などの影響を受けやすいため、定期的なオーバーホールや外装クリーニングも検討すべきです。
購入後、価値維持を狙うなら「正規購入ルート」「未使用または極少使用」「付属品完備」が鍵となります。

5. まとめ

「5811/1G‑001」は、ホワイトゴールドという素材変更と、ノーチラスシリーズというブランド背景を兼ね備えた魅力あるモデルです。デザイン・仕様・ムーブメントともに現代基準を満たしつつ、ステータス性・希少性も併せ持ちます。購入を検討する際には、真贋・付属品・素材・仕様の細部をチェックし、将来のメンテナンスや保管にも配慮することが重要です。高級時計市場において、本モデルは「ただ持つ」だけでなく「長期的に楽しみ、維持価値も視野に入れた選択」となり得る一本です。