ロレックス
ROLEX
ヴァシュロン・コンスタンタンの「Les Cabinotiers」シリーズは、同ブランドの中でも特に高度な技術と芸術性を兼ね備えた唯一無二のタイムピースを生み出す特別な部門です。その中でも、「9770C/000G-007C」と「9860C/000J-090C」は、天文的な複雑機構と芸術的なデザインが融合した傑作として、時計愛好家の間で高く評価されています。本記事では、これら2モデルの特徴、技術仕様、デザインの魅力を詳しくご紹介します。
9770C/000G-007C:月と星を映す天文時計
1-1. 複雑機構の集大成
1-2. デザインと素材の調和
1-3. ムーブメントと機能性
9860C/000J-090C:アールデコ様式の芸術的表現
2-1. アームラリートゥールビヨンの革新性
2-2. アートデコへのオマージュ
2-3. ムーブメントと技術的特徴
比較と総括
3-1. 技術的なアプローチの違い
3-2. デザイン哲学の対比
3-3. どちらを選ぶべきか?
「9770C/000G-007C」は、ヴァシュロン・コンスタンタンが手掛けた中でも最も複雑なタイムピースの一つで、11の複雑機構を搭載しています。その中でも特筆すべきは、中央に配置された二つの月相表示です。これは、北半球と南半球での月の見え方の違いを同時に表示するという、天文学的な視点からの革新的なアプローチです。
ケースは18Kホワイトゴールド製で、直径46mm、厚さ17.10mmの堂々としたサイズ感を持ちながらも、サンドブラスト仕上げのシルバーダイヤルと18Kゴールドの針が調和し、エレガントな印象を与えます。また、ダークブルーのアリゲーターストラップが全体の高級感を引き立てています。
搭載されているのは、手巻きの自社開発ムーブメント「Caliber 2755 TMRCC QP」です。774個の部品から成るこのムーブメントは、時・分・秒の表示に加え、永続カレンダー、逆跳日付、月相、サイデリアル時間表示、天球図、トゥールビヨン、三問など、多彩な機能を備えています。これらの機能は、すべて手動で操作可能で、58時間のパワーリザーブを誇ります。
「9860C/000J-090C」は、アールデコ様式へのオマージュとしてデザインされたユニークピースで、アームラリートゥールビヨンを搭載しています。このトゥールビヨンは、二軸構造を持ち、球体のような形状が特徴的で、空間的な美しさを感じさせます。また、サファイアクリスタルのバブル風防により、その動きを立体的に観察することができます。
ケースは18K 3Nイエローゴールド製で、直径45mm、厚さ20.10mmの存在感があります。ケースサイドには手彫りの装飾が施され、アールデコ様式の幾何学的な美しさを表現しています。ダイヤルはブラックのオープンワーク仕上げで、放射状のギヨシェ模様が施され、視覚的な深みと動きを感じさせます。
搭載されているのは、手巻きの自社開発ムーブメント「Caliber 1990」です。299個の部品から成るこのムーブメントは、時・分の逆跳表示、小秒針、アームラリートゥールビヨンなどの機能を備えています。また、58時間のパワーリザーブを持ち、18,000振動/時の周波数で動作します。
「9770C/000G-007C」は、天文学的な機能を中心に構成され、月相やサイデリアル時間表示など、天体観測に特化した機能が特徴です。一方、「9860C/000J-090C」は、アールデコ様式を取り入れたデザインと、アームラリートゥールビヨンという革新的な機構が特徴です。
「9770C/000G-007C」は、天文学的な要素を強調した機能美が際立っています。「9860C/000J-090C」は、アートデコ様式の美学と革新的な機構が融合した芸術作品と言えます。
天文学的な機能とクラシックなデザインを重視する方には「9770C/000G-007C」が、アールデコ様式の美学と革新的な機構を求める方には「9860C/000J-090C」が適しているでしょう。いずれもヴァシュロン・コンスタンタンの技術と芸術性が結集した傑作であり、所有することで特別な時間を感じることができるでしょう。
9770C/000G-007Cと9860C/000J-090Cは、方向性は異なれどどちらもヴァシュロン・コンスタンタンの真骨頂を体現するモデルです。天文学的な世界観を表現した9770Cは、機能の豊富さと神秘性が魅力。対する9860Cは、芸術作品のような意匠とトゥールビヨン構造で視覚的な驚きを与えます。どちらも唯一無二の存在で、選ぶ楽しさすら贅沢に感じさせてくれます。