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    【H.モーザー】2025年の新作が魅せるロゴ無き高級時計の美学──パープルヘイズとターコイズが語る2つの表現

    【H.モーザー】2025年の新作が魅せるロゴ無き高級時計の美学──パープルヘイズとターコイズが語る2つの表現

    リード文

    スイスの独立系高級時計ブランド、H.モーザーは2025年、エンデバー・コンセプトシリーズに2つの新作を発表しました。「エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル(Ref. 1201-1200)」と「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル(Ref. 1805-0400)」は、伝統的なグラン・フーエナメル技法とモーザー独自のフュメダイアルを融合させた芸術作品です。これらのモデルは、ミニマリズムと高度な時計技術を兼ね備え、現代の高級時計市場に新たな価値を提供しています。


    目次

    1. エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル(Ref. 1201-1200)

    2. エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル(Ref. 1805-0400)

    3. 共通する美学と技術的特徴

    4. 価格と市場での位置付け

    5. まとめ

     


    1. エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル(Ref. 1201-1200)

    1-1. デザインと素材

    このモデルは、ステンレススチール製の40mmケースに、ハンマー加工を施したホワイトゴールドのベースにグラン・フーエナメルを重ねた「パープルヘイズ」フュメダイアルを採用しています。インデックスやロゴを排したミニマリズムが、ダイアルの美しさを際立たせています。針はリーフ型で、秒針は熱処理によるパープルカラーで統一されています。

    1-2. ムーブメントと性能

    搭載されている自社製自動巻ムーブメント「HMC 201」は、部分的にスケルトン加工されたブリッジとアンスラサイト仕上げが特徴です。ストラウマン製ダブルヘアスプリングを備え、安定した精度を実現しています。パワーリザーブは約72時間で、21,600振動/時の振動数を持ちます。

    1-3. ストラップと価格

    パープルのクーズーレザーストラップが付属し、ケースとの調和が取れたデザインです。価格は予価4,829,000円(税込)で、限定生産ではありません。


    2. エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル(Ref. 1805-0400)

    2-1. デザインと素材

    5Nレッドゴールド製の40mmケースに、ターコイズブルーのフュメエナメルダイアルを組み合わせたモデルです。ハンマー加工を施したホワイトゴールドのベースに、3種類のエナメル顔料を重ねることで、深みと透明感のあるグラデーションを実現しています。ダイアルにはインデックスやロゴがなく、6時位置にフライングトゥールビヨンが配置されています。

    2-2. ムーブメントと性能

    自社製自動巻ムーブメント「HMC 805」を搭載し、1分間で1回転するフライングトゥールビヨンを備えています。ストラウマン製ダブルヘアスプリングにより、重力の影響を最小限に抑え、精度と等時性を向上させています。ムーブメントは部分的にスケルトン加工され、アンスラサイト仕上げが施されています。パワーリザーブは約72時間です。

    2-3. ストラップと価格

    グレーのオーストリッチレザーストラップが付属し、レッドゴールド製のディプロイアントバックルが装備されています。予価13,420,000円(税込)で、こちらも限定生産ではありません。


    3. 共通する美学と技術的特徴

    両モデルは、H.モーザーの「コンセプト」シリーズに共通する、インデックスやロゴを排したミニマリズムを追求しています。グラン・フーエナメルとフュメダイアルの融合により、深みと透明感のあるダイアルを実現しています。また、ストラウマン製ダブルヘアスプリングを採用することで、精度と等時性を高めています。


    4. 価格と市場での位置付け

    エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル(Ref. 1201-1200)は予価4,829,000円(税込)、エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル(Ref. 1805-0400)は予価13,420,000円(税込)と、それぞれの技術と仕上げの水準を考慮すれば、H.モーザーらしい高級機の中でも比較的妥当な価格設定と言えます。

    市場における両モデルの立ち位置は、「芸術的なミニマリズム」と「ハンドクラフトの極み」を体現する存在です。競合ブランドがダイアルの複雑なデザインや多機能性を前面に押し出す中、H.モーザーはロゴやインデックスすら排除するという挑戦的な手法で、逆に個性と高級感を引き立たせています。

    また、両モデルとも数量限定ではないものの、生産には高度なエナメル技術と手作業が求められるため、供給量はごく少量に限られ、事実上の「入手困難モデル」となっています。特にコレクター層やアートピースとしての時計を重視する顧客にとって、高い評価を受ける要素が揃っているといえるでしょう。


    まとめ

    2025年のH.モーザー新作「エンデバー・センターセコンド コンセプト パープルエナメル」と「エンデバー・トゥールビヨン コンセプト ターコイズ エナメル」は、視覚的美しさ、技術的精緻さ、そして哲学的ミニマリズムの融合体と言えます。現代のラグジュアリーウォッチ市場において、単なるステータスシンボルを超えた“静謐なるアート”としての時計を求める顧客にとって、これ以上の選択肢はなかなかありません。

    これらのモデルは感性に訴えかけるオブジェであり、所有者の美意識と審美眼を語る強力なシンボルとなることでしょう。